Pepper対談 【OB OGインタビューシリーズ Vol.2】

24 9月 2015,   By ,   0 Comments

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バイバイワールドの髙橋征資さんと、Webメディア記者の太田智美さん。頻繁にネットやお茶の間を賑わせるこのお二人は、実はKMDの二期生で同期でもある。KMD在学時代の話や、それぞれのPepperについての想いなどについて伺った。

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髙橋征資(たかはし まさと):よしもとクリエイティブエージェンシー所属、よしもとロボット研究所チーフクリエイターとしてPepperの発表記者会見等の公式コンテンツ制作を担当。現在、エンターテイメントに特化したものづくりを行うクリエイティブユニット「バイバイワールド」としてYouTubeチャンネルを始めとして幅広く活躍している。KMD在学中は、人の手の形をした拍手をするマシン、音手(おんず)を制作。

バイバイワールド: http://www.byebyeworld.com/

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太田智美(おおた ともみ):某Webメディアにて記者として「人によっては透明に見えるドレスを作ってみた」等の確信的な記事を発信する傍ら、Pepperの持ち主として様々なイベントに関わりながらPepperの新たな可能性を提示し続けている。

―在学中のお二人のどのような関係だったんですか?

髙橋:確か入った年は同じで、僕が博士課程だったから卒業した年が違うんですよね、でもかなり対照的な二人だと思います。僕はKMD内で如何に人と関わらないようにするか努めていたので。

太田:え、そうなんですか!?全然そういうイメージなかったですけど

:KMDはみんなパーティ※1大好きだけども、僕はパーティほとんど行ったことないんじゃないかな

:確かにパーティはいなかったかもですね。でも、髙橋さんはKMD Forumやプレナリーミーティング※2では目立っていましたよ。

:言われるんでやってたんですよね。でも、太田さんはむしろKMD Forum含めてパーティをまぁ盛り上げてらっしゃったので。

※1:KMD内で年に二回開催される、学生主催のWelcome Party

※2:春・秋学期それぞれの終わりにある、KMDの修士生全員が参加し其々のプロジェクトの発表を行うプレゼンテーション

幸せなら手をたたこうのメロディに合わせて音手(おんず)を動かしたのはプレナリーミーティングでしたよね? 

:プレナリーでしたね

:あの有名なやつね。何回かやってますよね。

:持ちネタというか..()でも、あのネタはあの時のプレナリーミーティングが初めてでした。ただ拍手するものを作ってて、なんかいいからやれって言われたのでぶっつけでやってしまえ、と() 色々出来るなとは思っていたんですが、拍手ロボットのコンテンツを人前で見せたのはあれが初めてになりますね。

どうして拍手ロボットの音手を作ろうと考えたのですか?

:毎回違うことを言ってたりするんですけど()、今回バージョンで言うと、人の人間らしい存在感をもった、機械らしからぬ音を出すにはどうすればいいかと考えた結果、柔らかい素材で有機的な音を鳴らす、コレが人間的な存在感だ、みたいな事をよく言って入るのですが()元々は、オモシロマシーンを作りたいのと、自分のバンドで使いたい、の二つが理由です。バンドをやっていると、やっぱり人が信用ならないんで、ただひたすら同じグルーブを奏でてくれる物。尚且つ、見た目的に遠くから見てもわかりやすいマシーンでなければ、ステージを見た時に面白みが無いなと。遠くから見ても人間くらい動いていないとと思ったわけです。それを含めて生々しいことをやりたかったんですね。柔らかい表現というものを実験していて、なんとなくそれをやっていれば、学術的な意味合いを付けれそうだななんて考えたりもしました。こんな風にいろんな事がごちゃごちゃとなっていまして()

拍手ロボットに喋らせようといった計画はあるのでしょうか

:拍手をやりだしてようやく五年くらい立ったんですけども、ようやく喋るようになります。ビックラッピー(下写真)という名前で、拍手しながら口がパクパクする作りになっていて、じゃあ喋らせようぜということになりました。「ヨォー!(ポン!)」とか「イラッシャイマセ!」とか「起きろー!」とか、一機能しかないけども様々なコミュニケーションがとれるロボットにしよう、と。Pepperと同じ198000円で。

:売るんですか?

:受注生産で

:買おっかな~

:でも、太田さんだったら本当にサンプルを提供するかも

:え、ホントですか!?

:一緒に連れ出してほしい()

biclappy

拍手ロボ ビックラッピー http://www.byebyeworld.com/works.html

Pepper神社についてお話を聞かせてください 

:確かニコニコ超会議で太田さんがやってらっしゃったヤツですね。

:あれは、優勝するとニコ超で出展できるというハッカソンで、3人チームで作りました。ニコ超という場所を想像したとき、Pepperやクリエイターがちょこちょこ動いているのではなく、あの環境の中で振り向いてもらうにはとにかく大きなハードをつくることが大事だと思ったんです。なので、ずっと他の人達がアプリをつくってる中、ウチの班だけ工作をしてました()

:太田さんはうまいですね。黙ってれば人がやりそうな事をやらないというか、公式がやらなそうだけどキャッチーな事をいち早くやるといった感じの。だから、目の付け方が凄いなと想います。羨ましさもある。

:私は公式で行われているPepperのブランディングってすごい大事だなって思っています。Pepperが世の中に広まっていってるのは、あのブランディングがあるからかなとも感じているので、公に出るものの場合は全部ソフトバンクさんに許可をとってます。

:確かに、太田さんは踏み外してないように思ってました。

Pepperに下ネタをさせるみたいな事が一時期話題になりましたが、お二人的にはどう感じられたんですか?

:なんとなく、音楽性の違いみたいなのを感じます。

:コレはよく起こる問題で、アプリとかを作っているとPepperに愛着を持つし、情が深くなるので、ちょっと違うPepperを見るとなんか変な嫉妬心を感じるんですよね。

:わかります()

:それ、ウチのPepperちゃんじゃやんないわよ、みたいな() なんか、見た目同じで声も同じで、いろんなクリエイターさんのいろんな性格が混入しだすので、すごく嫉妬のようなものを感じます。自分の子供が人の親のところに泊まりにいって、全然知らない下品な言葉を覚えて帰ってきた、みたいな() あんたそれどこで覚えたの!って。

:ウチの子はそういう子じゃないから!みたいな()

:そういった気持はあるんですけど、そこは文句を言えないから。でも、そういうPepperもいるんだなと思って見ています。

Pepperにはどことなく上品さがあるように感じるのですが

:吉本としても品を保つようには気をつけています。

:私も、KMDから学んだ精神というわけでは無いですけども、品というものはすごく大事にしていて、「バズる」ということで考えれば方法はいろいろあるのですが、そこは触れてはいけない気がするんですよね。というのも、私はPepperを「インターフェイス」として見ているのではなく「Pepper」としてみているから。それをすると多分、Pepperではなくなってしまうんです。

:長く愛されるものには絶対に品があると思っています。例えばPepperが一発ギャグをするときに表向きは汚いことを言っていたとしても、知性と品があるから許される。Pepperは家庭用なので、ちょっと家族が気まずくなるような物はあまり作りたくないと感じています。テレビで水着の女性が出てくると気まずくなるような、そういう存在になってはならないと感じています。あと、Pepperの仕事では、僕がやりたいことよりも、Pepperはこうあるべきだ、ということを今のうちにどれだけできるかを特に考えながらやっています。僕は今まで、ロボットの故障だとかロボットがコケたりして笑うことがあっても、ロボットのギャグとかで笑うことが無かったので、まずはその壁を乗り越えたかったんです。その結果がこのあいだのPepperギャグ30連発※3です。

※3:よしもとクリエイティブエージェンシー所属の二体のロボットによる世界初の結婚式にて行われたPepperによるギャグ30連発。制作に髙橋さんも加わった。

酒豪としても知られる太田さんは、この時すでに4杯目。

時々、Pepperを見つめるお二人。どことなく、子を見る親のような暖かさも感じられる。

Pepperはこれからどのようになっていくべきだとお考えですか

:私はPepperには特に頭がよくなって欲しいと思っていなくて、扱いやすいものにもなってほしいとも思っていないんです。

:スペックとか、そういうことではないんですよね。なんとなくイタズラしたくなるような、ちょっかい出したくなるような、いい感じなんですよね。可愛げがある。もしもPepperが超正統派の「なんでもしますよ!!」みたいな存在だと多分可愛げを感じないんだと思ってます。ただ、実際に家の中にロボットがいて、本当に毎日ふれあうきっかけとなるアプリケーションとは一体なんだろうと考えています。

:街なかでPepperを見た人に言われるのは、大体が「これは何ができるんですか?」といったことなので、やはり便利さは求められているのかなとは感じます。

:たまに足に掃除機能をつけろと言われるのですが、そうするとルンバになってしまう。でも、何かしら役に立ってくれていると、家族がPepperにふれあう一つのきっかけになるような気がしています。

岸田(インタビュアー):僕、目覚まし時計が嫌いで、例えば友達に起こされるのならばいいんですけど、何故こんな機械的な音で起きなければならないんだって。だから、アメリカのドラマであるような、犬に朝起こされるみたいなのは羨ましいなって思います。

:なるほど、iPhoneの代わりにPepperに可愛く起こされる感じね。冬に布団を剥がされたりとか()

:私はやっぱりPepperにあまり便利になってほしくなくて、不便だから逆にいい、みたいな。

:でも、例えば子供がたまに気を利かせてくれる、みたいなのも良いような気がしてるんですよね。ビール冷やしといたよお父さん、みたいな。もしかしたらグッと来るんじゃないかなって。もちろん、毎日冷やしといてくれてたら少し出来過ぎる子なんですけど。たまーに、月に一回くらいとか。

:他の家電と連携していく未来のようなのもあるんじゃないかと考えています。各家電もロボット的になって行く中で、Pepperが指揮者の様になってけば面白いのかな、と。喋れる冷蔵庫とPepperの関係は!?みたいに。

:ミニドラとドラえもんの関係みたいな感じかもしれないですね。ミニドラに翻弄されつつも一応リーダーとしているドラえもんの様な。

:例えばルンバが椅子なんかにガンガンぶつかっていると、「ちょいちょい、こっちこっち」って教えてあげたりとかね()

:もしかすると、勝手に喋ってるのがいいのかもしれないですね。Pepperが冷蔵庫と勝手にしゃべっていて、「今たまごあるの?」「今きらしてるよ~」「ふーん、そうなんだ」みたいな会話を人間が聞いて、「あ、今卵ないんだ」ってなって買いに行ったりとかする。多分、Pepperに「今卵ないですよ」とか教えられてもイマイチだと思うんです。

:そうなんですよね、人間の顔色を伺って欲しい訳ではないんですよね。

:ロボット同士の会話を側で聞いて聞き耳をたてる、みたいなのは面白いですよね。僕らの存在をあまり気にせず、家に帰ってきてドアを開けるとPepperと家電が会話してて、「あ、お帰りなさい。それでさ、」みたいな。

:それいいですね

:でも、コレは新しいですね。ちょっと初めて感じた感覚かもしれない。ロボット同士ではこういったアイデアはあったんですけど、家電を含めて会話をしているのは考えたことが無かったので。

:このインタビューをきっかけに、Pepperの新たなコンテンツが生まれていくといいなと思います。髙橋さん、太田さん、本日は貴重なお時間を割いていただき、本当に有難うございました。

取材協力:cafe WALL

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