【番外編】肉対談 稲見先生 × 奥出先生
六本木ヒルズの裏、けやき坂にある37 Steakhouse & Barにお邪魔しました

六本木ヒルズの裏、けやき坂にある37 Steakhouse & Barにお邪魔しました

 

 

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料理選びは真剣です

稲見先生:この店は学生には少しもったいないですね。
奥出先生:今日はもったいない日ですから。なので、これはKMD FACTORYの成功に向けて投資です。

-料理選び-
:今日はもうどの肉を食べるかは決めてまして、ポーターハウスステーキ骨付き1kgを二ついきましょう。
:いいですね、やっぱりお肉は塊で食べたい。
:そうしましょう。ポーターハウス二つとサイドディッシュと赤ワインというシンプルなスタイルでいきましょう。
:サイドディッシュはスピナッチがいいですね。
:決まったところで、乾杯ということで

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:稲見先生は本当に美味しいものを知っていて、美味しいもののあじわい方がすごく良いんですよね。本当によく味わう。自分で料理する人はそうなんですが。
:以前に比べて頻度は減ってきていますが、料理はよくしていましたね。何故かと言うともともと化学部なので、実験的な操作が大好きなんです。その代わり男の料理みたくなっちゃうんですが。
:稲見先生は美味しい料理を食べている時は化学式で分析していると伺いましたが。
:生物系で食品科学の授業とかを受けていて、食べ物に関して記述するための言語は教えていただいていたので。基本的に物の美味しさは化学反応によるものですから、例えばメイラード反応といった、糖とタンパク質の反応という一見食べ物から離れたところにあるものが味に関わってくる、といった事が自分の中でつながった時に初めて『わかった』気がしました。精密に現象を記述するということと実世界をどうつなげるか、『わかる』ということはそういうことなのかなと。

 

:僕もそうなんですが、稲見先生の美味しい物を自腹で探して食べる感ってのは半端ではないですよね。
:美味しい店を探すことは研究と共通のところが多くあると思っていまして、普通の人が見過ごしてしまう所とかを自分で見立てるところが大事といいますか。
:研究に近いといえば、僕もまだ三回くらいしか行ったことが無いのですが、日本料理のとても素敵なお店がありまして、料理人の方はまだ30代くらいの方なんですが非常に腕が良いんですよ。
:本当はそのくらいの、30代から40代くらいの歳の方が一番腕がいいんですよね。
:そう。やっぱりピークが研究者や外科医と一緒なんですよね。
:評価は高くなるんですけど、実は腕自体はもうピークを過ぎている。研究でも同様のことが言えるのかもしれませんが。
:料理って実はすごく力仕事で体力等がすごく関係してくるので、ピークをこえると有名な料理人の人でもダメになってしまう。自分が30代の半ば過ぎあたりからお金に余裕が出てきて美味しいものを食べに行っていると、料理人の方がだんだんと力を失ってくる。そうなると店を変えなければならなくなる。これを繰り返している内に、料理人が自分の弟子と同い年になっていたりするんです。

ただ、この間とある店に行ったんですが、そこの料理人の方は結構お年を召してらっしゃるので、もう味が落ちてしまっているかなと思っていたのですが意外と味が保たれておりまして、何故かと思って見ているとどうやら人を育てるのが上手なんです。どんどん育てては優秀は人に暖簾分けをして系列に収めていっているんです。これは僕のモデルでもあるのですが、弟子を育てて生き延びていく、という。料理人、研究者、外科医、これらは非常に似ている。
:料理人は研究者そのものですよね、日々研究をしている。
:料理人と外科医も非常に似ていますね、ほとんど一緒と言っても良い。相手の力量をみる点や、自分よりも腕のいい人に仁義を切る点などは殆ど板前さんと同じ。
:理系の研究者をしているとたまにつば迫り合いのような、自分の力量を測られる事がままあります。とある大手の会社で、役員までがずらりと並ぶ会議に呼んでいただいた時に、その会社の中央研究所といったところの人たちが私のような大学の研究者に対して「この点についてはどうお考えですか?」といった質問を投げかけてくる。その質問にちゃんと返すと逆に親しくなり仲間になるんです。
:面白いですね、僕は文系なのであまりそういった事は少ないですね。文系の研究者は基本的にお呼ばれする形で講演などにいきお話をさせて頂くんです。文系はたたずまい、理系は技ずまい、といったところでしょうか。しかし、そういった風にばかり生きていては研究者としてダメになってしまうので、稲見先生の様につば迫り合いで勝てるような研究者でいたいと常々考えております。

-お肉の到着-

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フィレとサーロインがどちらも楽しめるポーターハウスステーキを注文 おすすめのミディアムレアで。

 

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KMDの教授陣はみなさま食いしんぼうです

:おお、すごい
:これがKMD FACTORYのWebにのるのはいいね。やはり量が多いほうがいいですね。
:これは楽しいですね
:なんて美味しいんでしょう
:これは和牛だけの味ではないですよね、初めて食べる味がします。
:この肉は和牛とオーストラリア牛を交配させているんです。この店の日本人のオーナーの方が、当時日本にアメリカ型の熟成肉が無く、ならばとピータールーガー※1やウルフギャング※2のコピーではなく日本なりの店を考えて構えて開店なさったんです。その矜持がいいですよね。
:奥出先生に是非ともご紹介したい店があって、そこの料理人さんは肉の研究者して、周りから変態と呼ばれるほどなのですが、奥出先生と絶対に気が合うと思います。どれくらい変態かというと、和牛に勝つレベルのホルスタインを作ってしまうくらいです。
:では僕も京都で一番美味しいというステーキ屋を紹介します。とても小さい店でなかなか行けないのですが、ここがすごく美味しい。互いに文系の肉屋、理系の肉屋を紹介するといった形で。
:ニューヨークにいった時に名だたる名店を幾つか行ったのですが、とても美味しかった。しかし、そういった店よりもここの店の方が美味しく感じる。美味しいという感覚は現象学的ですから、日本人の我々にとってこの店の方が美味しく感じるということなんでしょうな。
:ちょうど日本の話をしたところでわさびが来ましたね。

※1 ブルックリンにある、ステーキハウスの名店。

※2 マンハッタンにある、ステーキハウスの名店。ピータールーガーで修行していたシェフが独立した店

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わさびの香りが味に奥行きをうみます

:わさびをかけると味に奥行きがでていいですね。
:この、和製ステーキハウスに徹しているところが素晴らしいですね。
:僕の初期の頃の学生で、日本で熟成肉を普及させるのに一役買った者がいまして、彼が赤肉の熟成肉の食べ方を日本に仕掛けたんです。
:やまけんですか?たしかSFCの一年の時に農園を作ったという。
:そうです。
:今では超有名なフードブロガーをやっていますね。

 

-デザート選び-

:そろそろデザート、コーヒー、濃いお酒で〆ましょうか。ダブルエスプレッソとグラッパの組み合わせが好きなんですが。
:エスプレッソとグラッパが合うんですか?私あまりコーヒーを飲まないもので。
:美味しいですよ。

:僕はピーカンナッツのタルト ピスタチオジェラート添えにします。ダブルエスプレッソにグラッパの比較的カンタンな物を入れてください。あと、いいグラッパを別のグラスで持ってきていただければ。
:バニラとピスタチオのアイスクリームとそれに合いそうにデザートワインをください。

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奥出先生ご注文の、ピーカンナッツのタルト ピスタチオジェラート添え

グラッパ ワインをつくった後のぶどうの絞り粕から作られるブランデー

グラッパ
ワインをつくった後のぶどうの絞り粕から作られるブランデー コレを食後にエスプレッソと飲むのが奥出先生流

:学生に色気のあるものを作れというと、たまに「色気とは何ですか」と聞いてくる時があります。
:ドキッとする、ということですよね
:そうです。
:色気だったり、美しさという考え方はエンジニアにも実はあるんです。
:同じですね、こころからグッと来るもの、それが色気のあるものですよね。何かをデザインするときには必ず部分を統合して全体を作る作業が必要になるのですが、それまでバラバラだった部分が統合された時には、ギラギラっと輝く色気が生まれると感じています。
:それって、『わかる』ということですよね
:本物か偽物か。光っているか否かがわかる。ガーーン!といった音でしか表現できないような、そういった魅力や色気を一気に放つわけです。まるで熟成肉みたいに。
:蓮實重彦さんが仰ったことの中に、『理解と納得の違い』というものがあります。世の中には納得がはびこりすぎているが、理解というものをもっと大切にしなくてはならないということを仰っていまして。
:力ずくで説得されるのではなく、『わかる』ということですよね。納得というのは時間をかけて説明されて飲み込む感じですが、理解というのは一瞬の事。
:理解は自分の内側のモデルと適合することですね。
:僕は理解、つまり、comprehensionこそが全てであると感じています。
:今日は美味しいお肉でした。
:本当に美味しかったですね。
:僕は最近不思議な感覚を持っていまして、次の日の朝に目覚めるとまだ美味しいエッセンスが残っていて、かなり冷静に反復ができるんです。
:それはすごくわかります。お腹の奥に残っている感じですよね。
:そうなんです。良い料理のエッセンスが残っていて、次の日に再現する。肉のみならず、日本食の出汁でも言える話ですが。
:では、翌朝のお肉のエッセンスを楽しみにしつつ。

ご機嫌の奥出先生

ご機嫌の奥出先生

 

同じく、ご機嫌の稲見先生

同じく、ご機嫌の稲見先生

食事
ベストオブシーザーサラダ クリーミーパルメザンドレッシング
ポーターハウスステーキ骨付き 1kg ミディアムレア
クリームスピナッチ
ピーカンナッツのタルト ピスタチオジェラート添え
バニラとピスタチオのアイスクリーム

 

ワイン

シャンパーニュ地方 ブルーノパーアール シャルドネ ブラン・ド・ブラン 2004
ゴールデンアイ ピノ・ノワール
スタッグ スリーブ SLV

 

協力

37 Steakhouse & Bar

東京都港区六本木6-15-1 六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り2F

http://www.37steakhouse.com/index.html

LUNCH Weekday 11:00 – 15:30 (L.O. 14:30)
Weekend, Holiday 11:00 – 16:00 (L.O. 15:00)
DINNER All Day 17:30 – 23:30 (L.O. 22:30)

 

文:岸田卓真

写真:家倉マリーステファニー

人に寄り添い、イノベーションを醸成する。 biotope 藤枝さん 【OB OGインタビューシリーズ VOL.5】

藤枝慶(ふじえだ けい)さん
同志社大学文学部卒。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)修了。Wieden+Kennedy Tokyoの戦略プランニング部門にて、Ben&Jerry’s・Nike・Nike Golf・Oh My Glasses・Tiffanny & Co.、その他複数の新規ビジネスに関する、コミュニケーション戦略とコンセプトメイキング、ブランド戦略、デザインリサーチを含めた生活者リサーチに従事した。ブランドが持つ本質や生活者の真実を見つめ、新たな切り口を見つけるプランニングを軸とし、ブランドらしさと人の気持ちに寄り添うイノベーション実現をドライブする。

2012年にKMD卒業後、Wieden+Kennedy Tokyoで主にブランド戦略を担当し、今夏、イノベーションプロデュース集団 biotopeに立ち上げから参加なさっている藤枝さんにお話を伺った。

 

KMDに入った経緯はどういったものだったのでしょうか
元々は同志社大学の文学部・英文学科にいたのですが遊び呆けていまして(笑)、卒業後はどうしようかと思っていた時に偶然KMDを見つけまして、「こんなところがあるのなら、就職するよりも全然面白いことができるんじゃないか」と感じたんです。

 

KMDではどのような研究をなさっていたのですか?
家庭菜園文化をもっと広めるためのデバイス・システム作りの研究でした。何も文学部とは関係ないですね(笑)もともと田舎で育ったこともあってか、都市部で暮らしていると田舎や自然の感覚が蘇ってくるときがあるんです。その感覚を深堀りしてみたときに気づいたのは、この差は速度じゃなかろうかと感じたんです。元・大阪大学の総長、現在は京都市立芸術大学の学長の鷲田清一さんという臨床哲学者の方が『「待つ」ということ』という本を書いているのですが、その本は“現代社会は待たなくてよい社会になった”という書き出しから始まっていました。現代社会の中では急ぐことが善とされていて“待つ”ということが減ってきているのだけども、実は“なんとはなしに待つ”ということがこれまでの人間性を表していることもあるのではないか、といった事が述べられています。この本を読んだ時に、このスピードオリエンテッドな中で“ゆったりと待つ”という方向性で物事を考えると面白いのではないかと思いました。
僕は岡山出身でして、実家が農家だったので野菜を育てる機会が多くあったのですが、野菜を育てるという行為の中に”待つ”楽しさが確かにあると感じたことから、農業というものを使って”待つ”楽しさについて研究したいと思っていたんです。そこで、KMDでは『野菜育成を促進させるコミュニケーションシステムの提案』というものを研究テーマとして、家庭菜園のプランターにデバイスを取り付け、センサーから様々な成分などを読み取り、SNSに書き出せるようにしました。また、一日に数回ほど取り付けているデバイスが撮影をし、20日分程を集め芽が出て育っていく様子を動画にし、観たり共有できるといったものをチームで作っていました。僕は主にプロジェクト自体のデザインやマネージメントを行っていて、最終的にはSNSのモックアップなども作ったりしていました。

 

“待つ”というところに注目なさったのはとても面白く感じます
そうですね。僕は2010年にKMDに入学したのですが、修士一年生の終わりに東日本大震災が起こり、日本人の殆どが『アンコントローラブルなものがある』と実感し、地方活性などに繋がっていった時期だったのも関係しているのかな、と思っています。鷲田さんの言う“待つ”とは、期待して待つ、直近の期限を設けて待つとはかけ離れたなもの。それは、来るか分からない手紙や待ち人を待つという意味合いに近い。それはアンコントローラブルなものかもしれません。

 

KMD卒業後に広告業界に入られたのはどういった経緯だったのでしょうか?
僕はもともと音楽がすごく好きで、大学の頃にも音楽をずっとやっていたのですが、仕事でも何かしら音楽に限らず、文化的なものに関わっていたいと感じていたんです。また、新しい切り口を見つけるということが好きで、それが広告という仕事に結びついて行きました。ただ、単純な広告を作りたくて身を投じたわけではなく、『何を言うか』よりも『何をするか』という実体づくりの方にとても興味がありました。しかし大手の会社に入ると本当にそういった分野に携わっていけるか分からないのでどうしようかと考えていた所、蝉 semi というブランドをやっていたKMDの先輩にお声掛けをいただき、一ヶ月のアルバイトとしてWieden+Kennedy Tokyoに行き、そしてそのまま働くことになりました。

Wieden+Kennedy Tokyo時代、NIKEのプロジェクトを多く手がけた

Wieden+Kennedy Tokyo時代、NIKEのプロジェクトを多く手がけた

 

東京オリンピック招致が決定した2013年9月8日にローンチした NIKE JUST DO IT CAMPAIGN, “SEVEN YEARS”

東京オリンピック招致が決定した2013年9月8日に7年後の2020年を見据えローンチした
NIKE JUST DO IT CAMPAIGN, “SEVEN YEARS”

 

Wieden+Kennedy Tokyoではどのように働いてらっしゃったんでしょうか?
基本的に外資の広告の仕事は営業、プランナー、クリエイティブ、メディアの4つに大きく分けることができて、その中でも僕は主にプランナーとして働いていました。プランナーとは、社内の仕事をクリエイティブの人たちに橋渡しする役目でして、クリエイティブの表現部分までは考えません。しかし、クライアントが広告に何を言って欲しくて、そして本当にその言葉が届くのか、もしも届かないのであれば本当は何を言うべきなのかという、”What to say”を定める仕事を行います。そして、どうやって言うのかという表現部分、つまり”How to say”を作るクリエイティブの人たちに仕事を繋いでいく、という仕事です。

もう少し詳しく言うと、クライアントは何をしたいのか・何を言いたいのか、といった風に課題を抽出し、そしてそれを伝えるべきターゲットは誰なのか・一体何を考えているのか、といった実体をクライアントに伝える、といった事をしていました。

 

– biotopeという会社の立ち上げに参加なさったきっかけは何だったのでしょうか?
前職のプランナーの仕事はブランディングに関わる仕事なのですが、ブランディングを行う時、企業の根幹である”Why we are”を抽出するところから始め、サービス作り、対外的なコミュニケーション作り、ファンのコミュニティ作りを行っていきます。この過程の中には企業の中の組織づくりも重要な要素として入ってくるのですが、このブランディングの全体を見ながら一貫して行っていく仕事をしたいと常々思っていました。そんな折に、代表からお声掛けをいただき、『ここならそれができるのかもしれない』と思い参加することにし、飛び込んだというのが経緯になります。

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– biotopeという会社はどのような事をこれからされていくのでしょうか
自分たちは、biotopeの事をイノベーションプロデュース集団と呼んでいます。やることとして、イノベーションプロデュース、デザインリサーチ&コンサルティング、イノベーション文化醸成の三つを掲げています。イノベーションプロデュースについてですが、そもそも我々は組織の外の誰でもない誰かからではイノベーションは起こらないと感じており、組織の中の『何かを変えたい』という強い思いを持った個人からしかイノベーションは生まれないと考えています。そうした、イノベーター個人の思い・ビジョン・構想といったところからスタートし、共創コミュニティを作ってイノベーション推進に伴走します。デザインリサーチ&コンサルティングとしては、先進的な生活者のインサイトこそがイノベーションの種につながっていくという考えのもと、先進層のリサーチと商品やサービスデザインのファシリテーションを行います。最後にイノベーション文化醸成では、いわば組織開発なのですが、例えばどうやってフラットな組織を作っていくのか、どうやってアイデアを抽出しやすい環境を作っていくのか、それらをどうやって現状の組織の中で行っていくのか、といった事を行っていきます。最近、ビジネスコミュニティの人たちがデザインに興味を持ち始めていますが、一方で環境づくりにあまり重きを置いていないという現状があります。その環境づくりの中心となって、あるいは媒介となって行けたらいいなと思っています。世の中と、一企業や一個人との間のチューニングをはかるといったイメージでしょうか。

 

– 社会に対してイノベーションの種を蒔くといったイメージのように感じられます。
biotopeの ”bio” には ”命の” という意味があり、 “tope” には “場所” という意味があります。なので、”命の場所” となれるように、ロゴ自体も種がたくさんあり、水から緑が生まれてそして太陽に向かって育っていくといったイメージにしてあり、少人数の人から大きなインパクトが起きていくんだという理念が込められています。

 

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株式会社 biotope / biotope co., ltd.

http://biotope.ne.jp/

東京都世田谷区玉川2-21-1 二子玉川ライズ・オフィス 8F カタリストBA内

 

 

 

聞き手: 岸田卓真

 

== KMD FACTORY 開催! ==
■ 日時:2015年11月27・28日(金・土)10:00〜18:00
■ 場所:五反田 東京デザインセンター 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)が企業や地域社会と連携のもとで進めている「リアルプロジェクト」を学内外の方々にご覧いただくためのオープンハウスイベントです!
http://kmd-media.com/forum/

■ KMD FACTORYへ工場見学に来ませんか? 招待状発行はこちらから→ http://kmd-media.com/forum#invitation–anchr

 

未来の生活空間の可能性を体験しながら創る -Reality Media x JST-ACCELの挑戦-

KMDのリアリプロジェクトの一つReality Mediaが参加しているJST-ACCELについて、KMDの准教授南澤孝太、特任講師チャリス・フェルナンドそして特任准教授の仲谷正史にこのプログラムについて、日本科学未来館にあるReality Mediaの拠点Cyber Living Labでお話を伺ってきました。

でははじめにJSTのアクセルプログラムについて詳しく教えていただけますか?

南澤先生:ACCELになる前に, 元々2009年から2014年まで5年間ほど、JSTのCRESTプログラムの「さわれる情報環境プロジェクト」というテーマでいろんな触覚の技術を開発して、それを皆が使えるメディアにするのを目指していました。例えば3D映像とロボットと組み合わせて遠くの人とコミュニケーションをとる、バーチャルな世界を体験できるというような、新しい体験型メディアを作ろうというプロジェクトでした。
ACCELは基礎研究として行われていたものを実用化して社会展開しようというプログラムです。そこで「さわれる情報環境プロジェクト」の研究成果を産業展開しようという形で進めることになったというのがACCEL「身体性メディアプロジェクト」です。「さわれる情報環境プロジェクト」から範囲を広げて、身体にまつわるメディア技術を一つの産業分野にすることを踏まえて、身体性メディアという言葉を作って、新しいメディア産業の領域を作ろうという形で動いています。

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では具体的にどのような研究を行っていますか?

南澤先生:身体性メディアといった時に、触るのもひとつですが、僕たちが物事を体験する時に得られる体感的な経験というのをいかに記録して、データ化して、伝えて、さらに再現して他の人にも体験可能な形にするのも目標の一つです。あるいは全く今の世の中にはないような新しい身体的経験というのをゼロから創造して、それを提供することもやろうとしています。その時に触覚というのが自分と外の世界との境界面を定義する感覚だと僕たちは捉えていて、なので触覚をいかにコントロールするのかということが僕たちの体感的な経験をいかにコントロールするかということにつながります。だから触覚は相変わらず重要な柱になっていて、それを例えば、様々なメーカーさんが作るプロダクトに入れようとする時、使える触覚素子、チップというものが存在しないので、それぞれ自社開発になってしまっていて。我々研究室でも少しずつ開発しているけど、それだといつまでたっても量産化や産業化へ進めないので、触覚を記録、伝送できるような一つの小さな素子を作ろうというのが一つ大きな話しといて動いています。それが触覚モジュールと呼んでいるグループで、仲谷さんがチームリーダーを務めています。
次にその素子を使って実際にウェアラブルなデバイスを作るのを、東京大学とKMDのコラボレーションでやっています。さらにそれをロボットに応用して、テレイグジスタンスと呼ばれている遠くの世界とのコミュニケーションをロボットを介して行う、そのプラットフォームと実際のアプリケーションを作っていくというのが、チャリスが中心となっているテレイグジスタンスグループです。そして僕がやっているのは、実際に体験できるコンテンツとして新しいインタフェースのデバイスや体験の中身などを作る身体性メディアコンテンツグループです。身体性メディアという新しい領域ができた時に、どういうコンテンツが生まれるのかを、実際作りながら考えていくというのが僕の担当という形になっています。
では一番ベースとなっているモジュールの話、仲谷さんお願いします!

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仲谷先生:はい!私が担当している分野はどうやって触り心地を再現するのか、というところの研究です。具体的にいうと、これまで触覚の様々なアクチュエーターがあり、電気刺激や温度ディスプレイなど、触覚をそれぞれ要素として、振動だったら振動を伝えるデバイス、温度だったら温度を伝えるデバイス、圧力だったら圧力を与えるデバイスと、別々に作っていたのですが、それだと僕たちが日常的に感じている、例えばひんやりしたザラザラなもの、ふっくらして暖かいものの触感はなかなか感じることができません。そこで触覚の重要な要素を全部提示できる、かつ小型でみんなが使えるデバイスを作るという、非常に難しいタスクなのですが、やらないと触覚産業もコンテンツも触覚のテレイグジスタンスもできないので、その問題について企業と一緒に研究しながら取り組んでいます。舘先生が考案した「触原色原理」というのがあって、それは、つるつる、ザラザラなどの触感を与える物理量は何かというのを考え、圧力や、振動感覚、そして今まで見逃されていて、一部でしか研究されていなかった温度感覚、の三つが重要なのではないかと考えていて、その三つを構成要素として同時に提示できる触覚デバイスを作るというのが僕の仕事になっています。研究の体制としては、KMD、東大、奈良女子大の佐藤克成先生、そして電気通信大学の梶本裕之先生と共同で研究しながら、さらにはアルプス電気株式会社、日本メクトロン株式会社にも入っていただいて6機関の共同研究としてやっています。

南澤先生:日本で最大手クラスの電子パーツメーカーであるアルプス電気や、iPhoneやガラケーの中のフレキシブル基板を作っているメクトロン、そいうところと共同で取り組むことで、実際の製品に組み込める量産型のデバイスを開発しています。

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チャリス先生:僕はテレイグジスタンスを担当しています。テレイグジスタンスのロボットは、まだ社会に出ているわけではないものなので、もっと皆に使ってもらえるためにモジュール化して、販売できるようにするというのが一つの目的ですね。それのためにはいくつかポイントがあって、まずは安くしないといけないのと、通信もすごく大事です。そこで、今までは線や固定IPを使っていたのを、クラウドプラットフォーム化することで、誰でもどこでも繋げられるようにするためのプラットフォームを作るところもやっています。そうすることで、自分たちの研究のためだけでなくて、テレイグジスタンスのスペックを公開して、様々なメーカーたちが自分たちで作っているロボットでこのプラットフォームを使えるようにするのを目指しています。もう一つは、大きいロボットは簡単には売り物にはならないのでロボット自体をモジュールにして提供することもやっています。例えば目の部分をモジュールとして提供したら、いろんな人がそれを使って作品やサービスを作れるようになります。そういう形でいろんなモジュールをいくつか作って、それを開発者に提供して、そこから生まれたアイディアやサービスを広めていくことも目指しています。

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南澤先生:コンテンツグループではプラットフォームがソフトウェア、ハードウェアが整備されてきた時に、それを誰がどう、何のために使うのか、というのが非常に大事になってくるということを念頭にやっています。例えば企業が具体的にこれを使ってどういうサービスを展開するのか、エンターテインメントかもしれないし、医療や介護、福祉かもしれない。ウェアラブル機器で新しい体験を作れるかもしれない。放送もありますね。可能性は無限大です。例えば2020年のオリンピックにおいて、テレビの中の人たちの感覚がお茶の間側にも伝える身体性メディアだったり。様々なサービスやプロダクトを生み出していくためにいろんな人を巻き込んで活動していくというのがコンテンツグループの役割です。実際にやっていることとしては、僕たちが作った身体性メディアのテクノロジーを使ったハッカソンを開発して、100人以上のいろんな業界の人に参加してもらって、皆でものづくりをしていく、オープンイノベーションと呼ばれる手法を用いて、いろんな人の要求や、クリエイティビティを集約していろんなものを作っていくことで、この新しい分野はどんな可能性があるかというのを絨毯爆撃的に探し出していくことをやっています。それで実際にある人が欲しいものを、自分の手で作り出すことができるようになります。その人たちの要望にぼくらのテクノロジーを組み合わせたら何が生まれるかというのをどんどん仕掛けていくというのがコンテンツグループの立ち位置です。

ではこのプロジェクトにとってサイバーリビングラボはどのような存在ですか?

南澤先生:今言っていたことを推進する場所として、僕たち自身コンテンツを生み出していくべきなので、いろんな外部と一緒にコラボレーションしている人たちと集まる場として作ったのがこのサイバーリビングラボです。リビングラボは未来館との連携の中で始めたプロジェクトで、僕たちが研究したり、開発したりする場所でもあり、実際生活するような空間も演出してあります。未来の日常を作りたいので、その未来の日常空間を実際に用意した感じです。そこで自分たちが作ったものを入れ込んで、それを使いながら、どんどん変えていきます。または他の人たちをここに呼び込んで、例えば家族連れから、企業のエンジニアやデザイナーまで幅広く様々な方々を呼んでいます。そういう時のコラボレーションスペースとして、ここで一緒に開発して、アイディアを出して、実際にプロトタイプを作って、それを使ってみて、それでいいか悪いか面白いか、面白くないか、すごく早いループで検証することができるスペースとして設計しているんです。左端にはメカメカしいロボットがあって2030年、40年に普及するかもしれない技術、右端にはリビングスペースがあって、その間のグラデーションの真ん中の部分でテクノロジーが生活に入っていく未来が生み出されるというイメージですね。それに必要なプロトタイプの設備も、KMDの工作室よりいいものを揃えています。日本にも数台しかない最先端の3Dプリンターも含めて置いてあるので、作ろうと思うものがあれば作り出せる場所になっています。

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仲谷先生:ここでしかできないものもたくさんあるよね?

南澤先生:そう。ここだからこそできるものはたくさんある。あとは企業とワークショップをやると、「あ!会社ではこんなもの思いつかなかった!」みたいな発言がすごく多いです。彼らにとっては僕たちがやってきた研究の成果を見るというのも一つの刺激ですし、会議室ではなくて、生活環境がある場所で、実際に紙粘土こねたり、アイディアを出したりして、実際に作ってみるというデザイン思考のプロセスをやるというのも刺激になります。本当にいろんなものが混ざり合う、オープンイノベーションが生まれる拠点という存在でありたいですね。

仲谷先生:このラボのすごくいいところは、隣の研究室の人がちょっとふらっと来てお話ししたりできることですよね。隣の研究室はロボットの研究室があったり、心理学の先生がいたりするので、僕たちができない、心理学の研究のディスカッションも、ちょっとふらっと行って、聞けたりするので、KMDでそういうことができるのは実はこのプロジェクトくらいなのかなというのが一つの強みですね。

南澤先生:未来館は公共のミュージアムなので、そこで実際僕たちのものを出したり、そこに来たお客さんをラボに呼んでワークショップをやったりとか、わりと共創がしやすいスペースですね。この前行われたDCEXPOのオープンラボもそうですが、ここでやっていることをそのまま一般公開できるので、すごくやりやすいですね。

チャリス先生:あとはインターネットのひきやすさもありますね。KMDの協生館にも入っている、SFCの村井先生が作っているWIDEネットワークは、10GBと、すごく早くて、ロサンゼルスやフランスに直接つながっていたりして、そのネットワークを使えるのは協生館と、その回線をそのまま引いている未来館のこのラボです。

南澤先生:協生館と未来館と東大とかそういう幾つかの拠点間の中では、日本で一番早い回線が置かれているので、多分慶應の協生館から独立館よりも、協生館から未来館の方がはるかに早いです!加藤先生に手伝ってもらって、今は贅沢なネット環境がありますね!

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仲谷先生:テレイグジスタンス技術には絶対に必要なネットワーク回線なの?

チャリス先生:絶対必要というよりはか、実験のためには必要ですね。それがなくてもできるようにするというのが目標ですが、その前にベストな環境で実験ができることが大事。

南澤先生:チャリスは今、遠くと繋いだ時のネットワーク・ロスをシミュレーションするサーバーとかを作っているので、ベストな環境から、一番弱いネットワーク環境までを網羅して試せる環境になっていますよね。

最後に実現したい未来についてお伺いします。5年後、10年後はどうなっていて欲しいですか?

チャリス先生:KMDのコミュニティが広いので、そこを使って、今までにないアプリケーションやサービスが誕生すればいいなと思っています。テレイグジスタンスの技術自体は単純に直接人と人がつながるための動くロボットですが、それだけではなくて、例えば最近ペッパーで結婚式に参加するというプロジェクトを手伝ったりしていました。

南澤先生:ペッパーのようなロボットにテレイグジスタンスという機能を入れることで、遠くからでも結婚式に参列できるというので話題にもなりましたね!あれもテレイグジスタンスの実用化に向けたサービスコンテンツの一つです。

チャリス先生:そういう風に様々な会社とサービスを考える時の新しいアプリケーションを作るようにして、テレイグジスタンスの技術をどんどん広げていきたいですね。
様々なバックグラウンドの人を集めている場所という意味では、KMDはすごく大事です。あとはポリシーに関しても今後はどんどん必要になってくるので、中村伊知哉先生のところに相談できるので、やりやすいですね。

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仲谷先生:僕は今触覚の本を南澤先生、筧先生、アーティストの三原さんと書いているのですが、やっぱり何かいてもこれは「普通の読者が見てもわかりません」と言われます。(苦笑)そういう意味では5年後目指すのは、そう言った触感みたいなものが日常のテクノロジーにどんどん入って行って欲しいですね。最初はテクノロジーに強い人がやってみて、「なんか面白いことできるよ!」と言って広める現象が始まるのが5年後くらいかな。それが皆で共有できて、さらにはちょっとエッジが立っている人はそれをユニティーと組み合わせて触覚の伝わるVRを作れるとかが実現していると良いなって思います。
10年後だとKMDと言う組織がすごく面白くて、様々な専門の先生がいますよね?そこで、石戸奈々子さんのデジタル絵本に例えば触覚を入れるのもアリだし、奥出先生のやっているようなエスノグラフィーという研究手法のところに触覚のエスノグラフィーや身体性のエスノグラフィーみたいな研究が出てくるのではないかと思っています。あともう一つやりたいのは、地域創生です。岸先生がやっている研究分野ですが、そこに実は触覚性で人との繋がりだったり、コミュニティを強くするための何かに、身体性や触覚性を用いることもきっとできると思いますね。岸先生と連携して経済特区を作って、そこで触覚町おこしみたいな活動ができたらすごく面白いなと思います。

南澤先生:僕たちがやろうとしているのは社会普及を見据えた上で、こういうコンテンツサービスが必要になった時に、一番ベーシックなモジュールから、実際にシステムのアプリケーションとして組み立てるところ、さらには実際にプロダクトやサービスにつなげていくまでを手がけています。そもそも国の大きなプロジェクトでその辺を一気通貫でやっているところはほとんどいなくて、実は事例があまりないです。ACCEL自体も僕たちが2期目なので、国としても初めてみてまだ手探りなところはあります。その中でKMDは非常に面白い立ち位置にあって、そもそもKMDを作る段階でこういうことを考えていたので、環境がすでに整っている状態なので、共同研究しましょう、特区作りましょうという話をポンポン出せる状態になっています。その中でも、すごく基礎的な基礎研究からあえてやるというのにも意味があるのかなと思っています。5年後は具体的なプロダクタやサービスとして、それこそオリンピックとかをきっかけに、実際に展開が出来る状態にするのが目標ですね。

オリンピックに来た、いろんなお客様たちが「日本の新しい技術とういのはこういう未来を考えているんだ!」と体験できるようなものを、いろんな会社や組織と作っていっていきたいです。なので、2020年には大々的にいろんなところで実は身体性メディア的なものが体験できるような状態にするというのがまず一つですね。2030年を見据えていくと、その時活躍する人たちは今小学生、中学生くらいですよね?彼らに仕込み始める活動を今進めています。自分の子供はまだ4歳ですが、もうちょっと上の子たちが、10年後くらいには、「これ昔やったことあるやつだ!」という風に思ってもらえるような状況というのを作りたいです。そうすると実際そういう時代が来た時に違和感なくそれを受け入れられる上に、「それだったら僕昔こういうことやりたいと思っていた」みたいなことが自分で提案できるようになるのを見据えています。身体性メディアっていう新しい領域がある時にそこに対するクリエイティビティにいかに種をまいておくかが大事なので、子供達のワークショップや子供と一緒に新しい身体性メディアを作っていくワークショップをやっていて、それが10年15年20年のスパンで考えると実ってくれればいいかなと。実は意外ともう5年後くらいに、もう実現可能だったりするのではないかと思っています。例えば今、ゲームや映画のエンドロールを見ると、サウンドエンジニアやCGクリエーターとかあるじゃないですか?そこに新たにハプティックデザイナーとかエンボディメントクリエーターとか、そういう新しい職業が多分生まれるだろうと期待しています。新しい職業が生まれた時の最初の一人にKMD生がなるというのがまず一番、KMDとして僕たちがやるべきミッションのひとつです。それがもっと継続的に子供達とか、小中学校のレベルくらいからそういうことに関わり出すという状態を作り出すというのが未来のためにはすごく大事だと信じています。

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KMDがいうメディアイノベーターとは、今ない職業の最初の一人になる。それも多分一つのメディアイノベーターの形かなと思っていて、しかも実は今うまくいきはじめていて、卒業生たちが触覚が面白そうだと思っている会社に入っていくという綺麗なサイクルができています。徐々に社会のいろんなところに種をまいていければいいなと。

KMD版 センセのところ ~ サム先生 ~

センセのところとは生徒のお悩み相談室です。
悩み、人生相談、ぶっちゃけ話など、KMDのセンセに日頃聞けないことを、我々KMD Journalが代わりに聞きに行っちゃうコーナーです。

今日のセンセはサム先生です!!

古川享(ふるかわ すすむ)先生  (通称、サムさん)

1954年東京生まれ。20代の頃にアメリカにて遊学。米マイクロソフトの日本法人設立である、現・日本マイクロソフト株式会社の設立に従事。同会長を経た後に退職。2008年よりKMDにて教鞭をふる。

 

質問

これからの時代に大事になるであろうスキルは何ですか?

ペンネーム:kishidaさん

回答

傾聴力かな。つまり、人の言っている事を聞き分ける能力。喋ることも大事だけども、それ以上に聞くことも大事です。

 

“雄弁は銀なり、沈黙は金なり” という言葉がありますが、雄弁だけでもなく、沈黙だけでもなく、相手の言葉に耳を傾ける事がこれからの時代により大事になってくるということなんですね。

サムさん、ありがとうございました!

さて、11/27,28に開催されるKMD FACTORYでは、サムさんを始めとした様々な先生に話しかけるチャンスかも知れません。ぜひ、ご来場ください!

 

== KMD FACTORY 開催! ==
■ 日時:2015年11月27・28日(金・土)10:00〜18:00
■ 場所:五反田 東京デザインセンター 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)が企業や地域社会と連携のもとで進めている「リアルプロジェクト」を学内外の方々にご覧いただくためのオープンハウスイベントです!
http://kmd-media.com/forum/

■ KMD FACTORYへ工場見学に来ませんか? 招待状発行はこちらから→ http://kmd-media.com/forum#invitation–anchr

 

 

このコンテンツはKMD FACTORY招待状に登録した方限定の特典コンテンツです。
招待状を受け取る際に登録したE-mailアドレスを入力してください。
まだご登録がお済でない方はこちらから。

『デザインの寿命を長くする。』クリエイティブ集団 蝉semi【OB OGインタビューシリーズ VOL.4】

『蝉semi』さんのフラッグシップストアにお邪魔させていただき、KMD卒業生である石川さん、 鹿毛さんにお話を伺いました。

蝉semiのお店は蒲田の住宅街の中にあります

蝉semiのお店は蒲田の住宅街の中にあります

 

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入り口の様子 赤い旗が目印

 

店内にはカラフルな商品が並ぶ

店内にはカラフルな商品が並ぶ

 

蝉semi : KMD在学中に結成し、現在も活動を続けるクリエイティブユニット。『デザインの寿命を長くする。』を理念に、掲載の終わった屋外広告等の使い捨てられていたデザインたちを素材とし、鞄や財布などのプロダクトを制作、販売を行っている。
URL:蝉 semi | Official Web Site

 

左: 鹿毛さん 右: 石川さん

左: 鹿毛さん 右: 石川さん

石川大輔(いしかわ だいすけ)さん:「デザインの寿命を長くする」を哲学に、掲載済みの屋外広告や産業廃棄物工場に廃棄された素材から、バッグや小物等のプロダクトを製作および販売を行う「蝉 semi」の代表。21世紀を生きる自分たちにとってのものづくりとは!?という疑問から始まり、自分を実験材料として日々研鑽に励む。

鹿毛雄一郎(かげ ゆういちろう)さん:1987年生まれ。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科卒。2011年リクルート入社。入社後新規サービスの立ち上げなど複数のサービス開発に携わり、現在はAirレジのUXデザインを担当。週末は「蝉 semi」のインタラクションデザイナーとしてオンラインストアやウェブページ、店舗での体験価値向上を担う。

 

岸田 : 蝉 semiはKMDの仲間でチームを組んでいたそうですが、プロジェクトとは別でやってらしたんですよね?
石川さん : そうです、なので先生方には特に話をしていたわけではありませんでした。
島田 : 自分たちだけで始められたんですか?
石 : そうです。
岸 : 以前、別の記事を拝見させて頂いたんですが、学内でプロダクトを制作していたのは工作室(現Hacking Studio)ですか?
鹿毛さん : そう、工作室です。brotherの刺繍ミシンがホコリをかぶっていて『これ誰か使ってんの?』っていう状態で放置されていて、せっかくいいミシンあるから使ってみようかってなったんです。
: 生地を切るのはレーザーカッターですか?
鹿 : いや、生地を切るのは手でやっていて、生地を切る時の型をレーザーカッターで切り出しています。
石 : アクリルで透明だから下の柄が見えるようになっていて、このアクリルの型を上から当てて定規代わりにして柄を見ながら切ってます。

: 完成した時の柄の見せ方というのは、ある程度事前に決めてから切っているんですか?
石 : いえ、あまり柄の位置はそれほど考えていなくて、出来るだけ無駄にならないように切ってます。いいところだけとってしまうと残りが全部使えなくなっちゃったりするので。先に切ってからどうやって組み合わせるのかを考えています。ただ、オーダー形式も受けてまして、その時はお客さんの要望にそって自由に切り取れる様にしてます。結構みんな贅沢に生地を使っていくよね、そう来たかって(笑)
鹿 : ななめ!とかね

この様に、アクリルの型に合わせて切っていきます

この様に、アクリルの型に合わせて切っていきます

 

切り取られた素材

切り取られた素材

 

: webページを幾つか拝見したんですが、カバンの真ん中に顔がドンとあるのがあって、ああいうのは意図的になさっているのですか?

石 : なんとなくとっていって、帳尻を合わせてます。いきなり顔を取るというのはまずないです。不思議なもんで、やっていく内に辻褄があっていくんですよね。あまり厳密には考えていないんですけどね。
: このシンプルな形にはこだわりが何かあるんでしょうか
石 : やっぱりグラフィックを活かすというところから始まっているのが大きいかな。あんまり複雑な形よりも、シンプルな形の方がグラフィックが活きるので。あと、僕らもずっとカバンを作ってたわけじゃないから、難しいことをして時間がかかって全然作れなくなるよりも、シンプルなモノを丁寧に早く作れるという事に重きを置いています。複雑なブリーフケースとかもあったりするんだけども、顔(表の面)はそんなにコテコテさせないというふうにやっています。

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岸田お気に入りのカバン

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中に”組合”という文字が見える

 

: ところで、僕この青いカバンがすごく気になっているんですよね。中のポケットのところに『組合』っていう文字があるのがカッコいい。

鹿 : あれは元々六本木商店街のフラッグコンテストのもので、一番最初に僕らが関わった相手先です。六本木ってこれまで夜の印象が強かったところに、美術館とかがいくつかできることで、徐々に昼の待ちも認識されるようになったんだけど、商店街のお店にはあまりお客さんが来ないということに六本木商店街振興組合の方々は課題を持っていました。色々な案を出してこんなんどうでしょうかって話をしたのですが「それをする予算が無い」と言われ続けていて。そんな中、フラッグコンテストの旗を使ってカバンを作り、コンテストに応募したデザイナーに売るということを提案したら気に入ってもらって、急遽カバンのプロトタイプを作ることになったんです。
: それはいつぐらいのことですか?
鹿 : M2に上がる春のことですね。最初はWeb上でフラッグから型の切り出し方を検討できる物を作って、デザイナーさんに自分が切り取りたい場所を指定してもらって作ってました。
: それまではあの旗は会期が終わったら捨てられてたんですか?
鹿 : 会期が終わったら、欲しい人には渡し、それ以外は全部廃棄になってました。一枚印刷するのに15,000円とか20,000円とかするんですけどね。このコンテストにはデザイナーの人とかイラストレーターの人とか、学生の人とかが応募してきてて、最近だと僕らの友達のグラフィックデザイナーの人がカバンにするために応募してきてます(笑) 他にも五年ほど毎年受賞してて毎年カバンをオーダーしてくれる人なんかもいます。カバンにすることを見越したデザインにしていたりとかするんですよね。

六本木デザイナーズフラッグ・コンテストの旗たち

六本木デザイナーズフラッグ・コンテストの旗たち

 

: 蝉semiという名前が面白いなと思ってまして、コレはどなたが考えられたんですか?
鹿 : 初めのころはKMDの6人でやっていたんですが、さて名前をどうしようかとブレインストーミングとかをして、最初のカバンのオーダーがセミオーダーだったのと、蝉の寿命と素材の寿命が似通っていたこと、あと外人の人にも発音しやすいように、ということで。
: 海外からのオーダーとかもあるんですか?
鹿 : あまりないんですが、数年前にシンガポールのデザイン雑貨を取り扱っているSupermamaにいくつか卸したりしてました。
: 蝉semiって、世界中のあらゆるところで出来そうですよね、旗とかって色々な土地のデザインが出るかなと思うので、例えばスカンディナヴィアで作ったならスカンディナヴィアっぽいデザインのカバンが出来たりとか。
: 何故、スカンディナヴィア?
: 北欧って言うよりカッコいいかなと思って..
鹿 : ちょっと記事意識した?
: はい、しました

: どうせなら、KMDフォーラムでも旗を作ってそれをカバンにしてもらいたいですね。
鹿 : それいいですね
: いいですね、奥出先生に言っちゃいましょう!
: ね、でもコレは島田さんが言ったことにしよう。そっちのほうが話が通りやすそうだから(笑)
鹿 : 奥出先生のラインスタンプにあるみたいにね(笑)

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: 今の鹿毛さんから見られて、KMDに思うところとかはありますか?
鹿 : 今の職場(リクルートライフスタイル)の同期や後輩にKMDの人が結構いるんですけど、わりとすぐに立ち上がって活躍していたりするので、社内ではKMDからくる人は出来る人だって風潮はありますね。リクルートとKMDの相性はいいと思います。やってることはかなり似ていて、KMDの時にやってきたことの延長で仕事ができるので、僕もすごくスムーズに仕事ができています。KMDにいたときから、フィールドワークに行って、サービスを何か考えて、実際に作って、社会からフィードバックを得る、と全部の行程を経験できたことがとても良かった。そういう経験がサービスを作るとかサービスに携わる上で一番重要だなと感じています。あとは、わりと思想をもって仕事をしている人が多いので、そういうところも面白いなと感じています。

文 : 岸田

写真 : 萩野

 

Semi Flagship Store Tokyo

〒144-0052 東京都大田区蒲田1-2-14 カマタクーチニバン

mail: mail@semi.tv

twitter: @semi_tv

facebook: https://facebook.com/semi.tv

phone: +81 (90) 2472 8838

こんにちは!M1の島田です。
今回はNTT未来ねっと研究所の研究員である傍、KMDの社会人博士課程学生として学位を取得された白井さんに、NTTやKMDでどんなことをされているのか、これからどんなことをしていきたいのか、お話を伺いました!映像コンテンツに興味のある人は要チェックです!!

 

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《白井さんプロフィール》
2001年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了、2014年同大学院メディアデザイン研究科博士課程修了。博士(メディアデザイン学)。

2001年NTT入社、未来ねっと研究所配属。未来ねっと研究所にて超高精細映像伝送システムの研究開発に従事。2007年にGigabit Ethernet上で4K60P映像を伝送可能な、世界初の4K60P JPEG 2000映像伝送システムを開発。ここで用いた誤り訂正技術に改良を重ね、高性能誤り訂正技術FireFort-LDGMを2013年に開発、MMT(MPEG Media Transport)における誤り訂正技術として標準化。現在は、映像や様々なセンサーデバイスを用いて遠隔空間を繋ぎ、作業効率を高める遠隔協調作業基盤技術の研究を進めている。

2011年に博士課程でKMDに入学。Power of Motion Pictures プロジェクト(現:CREATO!プロジェクト)でリサーチャーとして超高精細映像伝送技術、遠隔コラボレーション技術に関する共同研究をされている。

 

 

 

きょうはよろしくお願いいたします!
ーよろしくお願いします。

 

 

 

白井さんは NTTではどのような研究をされてきたのですか?
ーわたしはこれまでNTTで世界初の4K映像の伝送や、太平洋を結んで4Kライブ中継などの技術を研究開発してきました。入社した当初は将来のブロードバンドネットワークを見据えて、コンテンツとしてなにを流すか?ということを考えていました。そして、やはりその最高のものは映画であろうということで、デジタルシネマの研究を始めました。また、超高精細映像の伝送システムを開発したのですが、システムが出来上がって、それを使ってどんなコンテンツを送るか、という段階にきたので、演劇やコンサートをすごい臨場感をもってライブストリーミングができるようにしたり、一方向だけの映像伝送でなく、双方向の超高精細映像の伝送についても研究開発をしてきました。

 

 

 

NTT未来ねっと研究所ってどのような研究をされているところなんですか?
ーものすごく研究の領域は幅広いけれど、ざっくり言ってしまえば、NTTの研究所がやっていることは、色んな人に広く使ってもらえるための技術の基盤作りのようなことをしています。ネットワークの物理線というか、光ファイバーを張り巡らせて、どれだけ効率をよく通信できるか研究している人もいれば、有線でなく無線で効率よく送るための研究をしている人もいる。また、そのネットワークの管理の効率化をしている人、ネットワークの災害対策をする人、非常事態の時に移動できるICTカー(いろんな通信装置が詰め込まれた車)を研究している人もいる。そういう、通信寄りの研究もあれば、わたしのようにアプリケーション寄りのひともいる。あとは最近だと、IoTの時代なので、どのようなデータベースを組めば、何千何億というデバイスをネットワークにのせられるか考える、といった研究もありますね。

 

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どうしてKMDに入学されたんですか?
ーKMDの前身にあたるような組織であるDMC(デジタルメディアコンテンツ機構)に太田先生や中村伊知哉先生、杉浦先生がいらして、そもそも、そことNTTで共同研究をしていたんです。太田先生とは2006年から。太田先生に博士をとるならうちにみたらと勧められて、KMDに入学しました。NTTでは技術に付随するアプリケーションも作るけれども、それだけでは発想力に限界があるし、KMDはデザインができるひと、実装ができるひと等、いろんなひとがあつまっているから、それらの人が持ついろんなスキルとのコラボレーションでなにか新しいことをしたいと思いました。

 

 

 

KMDではどのような研究をされているのでしょうか?
ー私が開発した4kの映像再生、伝送装置は入学前からもKMDで利用していただいていたのですが、それを使って、ほかの学生と4Kのコンテンツをつくって上映したり、海外とつないでリアルタイムでやりとりしたり、ということを一緒にやってきました。KMDに入学した時、ちょうど震災の直後だったのですが、なにかしら4kの技術をつかって記録を残せないかと話をはじめました。当時まだ高価だった4Kのビデオカメラを使うのではなく、有志のカメラマンから集めた写真やHDのインタビュー映像もコンテンツ素材として、「4K」というキャンバスにえがくような感じで、ドキュメンタリーを作り始めました。それが”Growing Documentary”というドキュメンタリープロジェクトです。
ただ、作っただけで終わりではなく、そこに参加する人々のコラボレーションにより「成長していくドキュメンタリー」というコンセプトです。私は主にそれを技術的に支える形で参加していました。

その後、アメリカのUCSD(カリフォルニア大サンディエゴ校)とKMDとの間で、それぞれ別々の場所にいながら、取材して集めた素材でドキュメンタリー作品を作るというプロジェクトを始めました。実際に会った事も話した事もない、遠く離れたところにいる人たちと、テレビ会議をして意見を交換しながら、映像作品を大きなディスプレイをつかって、そこで議論しながらおおきな作業空間にペタペタ貼っていくような感じで、一つの作品をつくっていく、という環境を作りました。そういうコラボで作品ができるというのがグローイングドキュメンタリーのすごいところだな、と思いますね。
NTTの技術だけではなく、UCSDやUIC(イリノイ大シカゴ校)とも共同研究やってるプロジェクトで「SAGE」というシステムも組み合わせて、やっていました。

12年は東京国際映画祭の連携イベントで、仙台と六本木で4Kライブ中継をしました。双方の観客の反応を可視化するために、画面にリアルアイムで表示されるスタンプをスマホから押せるようにして、ライブを盛り上げる工夫をする試みをしてみました。大型のホールで4Kをつかって、どのようなことが出来るのだろうと、実践をしながら模索してましたね。

 

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KMDのイメージは入学する前と後では変わりましたか?
ーもうちょっとテクニカルな学生が多いと思っていました。プログラミングとかできる人はできる人でいいんですけど、違う意味でのエンジニアリングというか…いろんな企画をたてて、どういう場所にどう適応すれば良いかとか、それをするためにはどういう風に人を動かしたらいいかとか、そういうのを全部ひっくるめた上でのエンジニアリングというのがKMDの人はできるのかなぁと思います。そういう意味では見方が変わりました。私は入って良かったなと思ってますね。

 

 

 

これからどんなことをやっていきたいですか?
ーだれも思いつかないようなことをできればいいけれど、だれも思いつかないようなことは誰も思いつけないので、実際に実現できるといいうか、ただ単に机上の空論でやっているのではなく、社会のどこに、どういう形で送り込むと効いてくるのかというところを考えながら、新しいアプリケーションができればいいと考えています。

 

 

 

クールだけど優しい雰囲気の白井さん!最新の映像技術をつかって、どのようなコンテンツを作ることができるのかを模索していらっしゃるんですね。お忙しい中、貴重なお話を有難うございました!未来ねっと研は、人と人を繋ぐ、人と情報を繋ぐ、といったこれまで通信技術が 提供してきた価値に加え、人や社会や現実世界に作用していく、という新しい価 値が提供できるような先端技術の研究を行っています。

 

 

「KMDの皆さんにも、ぜ ひ、どこに、どのように技術を適用していくのが良いのか、一緒に考えてもらえ ると嬉しいです。」と白井もおっしゃっていました!

 

 

KMDに入学すればNTT未来ねっと研が誇る最新の技術で、あなたも様々なコンテンツ作りの最前線に立てるかも?!KMDに興味のある方、コンテンツ制作に興味のある方、あなたの夢を最新技術で実現できるチャンスです!ジョイナス!!

 

NTT未来ねっと研究所HP

 

ライター:島田誠奈

写真:林岳

【鉄道ミクロアドベンチャー】KATOホビーセンターに潜入!《後編》

こんにちは、M1の島田です。
11月も半ばです!KMDforumの準備も佳境にさしかかって参りました!さて、前回に引き続き、
Forumのスペシャルパートナーである、鉄道模型会社のKATOの東京の拠点である「ホビーセンターカトー東京」に潜入してきました。

前回記事

 

さて、意気揚々と階段を上がると、そこは2階!
こんな看板が私たちを迎えてくれます。

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…え?
なになに?どゆこと?

 

 

 

 

富澤さん「ここは、お買い上げになられた商品で遊ぶことができる場所です。」

 

 

ズギャアアアアアアアアン!

私「・・・!!!!!」(感動のあまり絶句)

 

日本の狭い住宅事情では、こんなに大きなジオラマで鉄道模型を走らせるのはとても難しい問題ですよね。
でも、そんな心配しなくていいんです。落合南長崎に来たら、その問題は解決するのです。
ホビーセンターは、その名の通り、みんなの遊び場でもあるんですね・・・!

 

 

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何車線もあって、切り替えとかめっちゃ楽しそう…!

富澤さん「土日になると、鉄道ファンのおじさんが沢山いらっしゃいます。」

自慢の電車を、立派なジオラマの中で走らせたいという大人の夢も、KATOは叶えてくれるんですね。

 

 

 

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車庫から電車がでてきました…!かわいい!萌え!!!

 

 

でんしゃ、買っちゃおうかなぁ…

一階にも二階にも、すばらしいジオラマ。

 

 

 

二階の奥に行くと、なにやらエプロンがたくさん。

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おっと?おっとっと?

かの有名な、京都の一澤三信郎帆布ではあーりませんか!!
このお店は京都・東山の一店舗でのみ販売していることで有名で、ウェブサイト上での販売もしてないのに、なぜここに…!?

 

 

米谷さん「KATOのNゲージ50周年で一澤三信郎帆布とコラボレーションして、エプロンを作ったんです。ホビーセンターで色や生地を選んで、ご注文いただくと、二ヶ月程度お時間いただきますが、一点一点手作りのエプロンをお届けできます。」

 

 

すてき〜〜〜〜〜〜!
このエプロンをして、ジオラマをつくってもよし、お料理してもよし!
このエプロンをGETできるのは、ホビーセンターだけ!!

 

 

なんちゅうスペシャル感出してくるんですか。
おしゃれすぎィ!!
本来京都でしか手に入らないものが手に入るなんて、
ホビーセンターすごすぎィ!!!!

 

 

 

はぁ…楽しかった!
米谷さん、富澤さん、ご案内してくださってありがとうございました♡

 

 

 

\やあ、ホビーセンターは楽しんでもらえたかな?/

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あ!!加藤社長!!

 

 

藝大の学長の宮田先生が作ったオブジェの前でニコニコする加藤社長。

 

 

実は、加藤社長はKMDの記念すべき一期生で、奥出先生のもとで、「商店街活性化ビジネスモデル」の研究をされていたそうです。フラヌールの研究に関しては、2008年12月にシンガポールで開催されたシーグラフアジアと、2009年秋の日本科学未来館デジタルコンテンツEXPOに招待され実演展示されたそうです!すごい!

 

 

そんな加藤社長に何かメッセージをいただけないかということで、現役生、入学希望者の方々それぞれにメッセージを頂きました♡

 
⭐︎在学生へのメッセージ⭐︎
修論工房で奥出先生にご指導いただいたCritical ReadingとWritingは、とても勉強になりました。「主語+動詞+目的語」で日本語を話せるようになれたのは、奥出先生のおかげです。ダラダラ長い文章になりがちな習慣を、身体的に改善することができました。私には大変辛い授業でしたが、本当にお勧めです。

⭐︎入学希望者の方へのメッセージ⭐︎
私は、45歳の時にKMD第1期生として入学させていただきました。2年間通学させていただいた間に「産官学」とは、産はチャレンジャー、官は良心、学は預言者ということを学びました。KMD修了後は、会社に稲盛経営(アメーバ経営)を導入し、フィロソフィーの実践を目指して企業活動をしています。全従業員の物心両面の幸せを追求すると同時に、お客様の心を豊かにする鉄道模型の進歩発展に貢献する。が、2010年に作った弊社の企業理念です。

 

 

 

加藤社長、ありがとうございました!!

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最後に、ホビーセンター前の赤いでんしゃにのせていただいて記念撮影。

この記事の島田がなぜ、つなぎを着ているのか。

勘のいい読者の皆様は、もうお気づきですよね…?

 

 

 

…。

 

 

 

最後に、KMDforumではKATOブースで複数のジオラマを展示しています。

また、前回記事でご紹介した、sound boxもご体験いただけます。

11月27日28日は、ぜひ五反田のデザインセンターにいらしてください!ジオラマ体験を楽しんでくださいね♡

 

 

 

KATOホームページ

 

ライター:島田誠奈

写真:高島瑛彦

 

 

グーグル株式会社のシニアサーチエヴァンジェリスト金谷武明さん 【OB OGインタビューシリーズ Vol.3】

KMD6期生の金谷武明さん。卒業して半年後の心境や変化を伺いに、イノベーションを巻き起こし続ける会社、グーグル株式会社へお邪魔してきました。

Q:まずはお仕事について詳しくお聞きしてもよろしいですか?

Google では、Google 検索のエヴァンジェリストとして、検索品質の改善を担当しています。もう少しわかりやすく言うと、検索結果には通常ウェブページが表示されますが、良いサイトがきちんと適切な順位に表示されるよう、そのウェブページを作る人たちにグーグルとの相性のいいサイトの作り方を伝えるようなことを担当しています。最近ではイベントで、東京や岡山、大阪、金沢など多くの地域のウェブ制作者の方々と話をしてきました。

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Q:では半年前に遡って、修士課程の2年間、学業とお仕事の両立どのように行っていましたか?例えば1日のスケジュールを教えていただけますか?

春の前期の基礎授業のときは本当に大変でしたね。あの時は、ほぼ毎日朝9時から昼の12時過ぎまで授業があり、それが終わってから会社に行って、8時間働いて、家に帰って個人の課題をやる、みたいな日々でした。グループワークも多かったのですが、僕が参加する時間はなかなか取れないので、授業が終わったあとに少しだけ学校に残って、自分の考えている方向性やイメージを最低限チームメンバーに伝えて、”後は任せる!”みたいな感じで会社に行っていました(笑)。あとはドキュメントのまとめをちらちら覗いたりして。クラウドって便利ですよね。チームのメンバーのおかげで13時までいたことはほとんどないです。土日は会社がないのでみんなで学校に集まってディスカッションしたりしてましたね。

会社には働きながら通うための制度があるわけじゃないので、コアタイムをずらしてもらい、有給休暇を駆使して通いました。普段は9時〜18時の所を、14時〜22時にしてもらって、昼から夜にかけて働くような感じですね。

もちろん個人でやる課題もあるので夜中にやるのですが、22時に仕事が終わって家に帰ると「あれ、何やるんだっけ?」みたいにすっかり朝の授業を忘れてしまうことがあったんですよね(笑)。ですので授業のアーカイブがあって本当によかったです。翌日には授業の内容が全てネットで見られるので。

春の後期からは授業が日によってバラバラだったので、毎日会社にその日の勤務時間を申請していました。例えば1限と4限があれば、2限、3限空いているから、会社には行かず、学校で半日働いて、半休取らせてもらうなど工夫していました。4限だけだったら、朝会社来て、昼頃会社を出て夕方授業受けてそのあと夜学校で働いて、1日働いたことにしてもらうとか、パターンはいろいろありました。

 

Q:会社からの理解をどう得ましたか?

個人のキャリアやワーク・ライフ・バランスなどを重視している会社なので身近なチームの人達にきちんと説明し、話を通したら特に問題なく理解は得られました。ありがたいことにみなさん非常に協力的でしたね。なので必死に説得するなどといったエピソードはないですね。応援してくれる方が多かったです。理解してくれる環境があって助かりました。

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Q:KMD内のプロジェクトでの印象的なエピソード教えて下さい。

一番印象的なのは、会社の肩書ではなく、研究室の研究員として内閣府のイベントに参加したことですね。沖縄と岐阜の教育関係者の方々にお話する機会があったのですが、そこで知り合った方々は、情報モラル界の第一人者のような方々ばかりでした。テレビでよく見かけるような方々です。そんな自分にとっては偉人のような方々と出会えたのは研究室のボスの中村伊知哉先生のおかげですね。会社の立場では参加できなかったので、研究員の一人として参加する機会を与えてもらえたのはいい経験となりました。伊知哉さん以外にも、KMDは教授陣が第一線で活躍している人たちばかりなので、そのつながりでその業界のトップの人たちと知り合える機会があるというのは非常に刺激的ですよね。

 

Q:KMDを卒業して変化したことはありますか?

単純に忙しくなりました(笑)。時々、よく働きながら学生やっていられたな、と思うことがあります。あの頃の自分、すごいなって(笑)。

自分自身の変化としては色々あるのですが、例えば修士1年の冬に聞いたガーレイノルズさんの講座は非常に役立っています。(ガーレイノルズ:28万5千部以上の大ベストセラー「プレゼンテーションZen」著者)

そのおかげで今もプレゼンをするときに、オーディエンスが誰で、オーディエンスをどういう状態に持っていきたいかなどをきちんと書いて整理しています。どういうコンテンツが必要で、どんな風に並べたら効果的かなど、あのときに教わったプレゼンの手法がすごく役立っています。最近は社外で喋ることが多いのですが、話す中身は一緒でも、話す相手が違うと話すポイントは少しずつ変えるべきなので、そういう面ですごく参考になりました。

あとはデザイン思考的なプロセスも頭の中に残っていて、次のインスピレーションを得るためのプロトタイピングという意味で、とりあえずちょっと何かやってみようという行動を積極的にやることはありますね。フィールドワークとか、エスノグラフィー的なアプローチも、取り入れるようにしています。そういう意味ではやっぱりデザイン思考はやっておいてよかったなと思っています。プロジェクトの精度、クオリティが上がったと思います。

 

Q:では最後に、大学院やKMDに興味のある社会人へ一言お願いします。

やりたいことがあるんなら、別に大学院に行かなくてもやればいいんじゃないですかね(笑)。一歩踏み出せばいいじゃないですか、と。それでもあえて大学院に行きたい理由は何なのか、考えておかないと、社会人大学院生をやるんなら心折れると思いますよ。KMDについては、何か一つ柱があるんだけど、これまでの自分にない何かを身につけて、これまでと全く違った新しいやり方で世の中をより良くしたいと考えている人にとっては、他では得られない最高の場所なのかな、と思います。知識やネットワークが得られることももちろん魅力ではありますが、それ以上に一歩を踏み出せる何かを得られると信じています。

 

おまけ

Q : KMD生なら皆知っている、花柄シャツのポリシー、スバリ教えて下さい!

僕の花柄シャツの秘密は、実は花柄には全然こだわっていないということなんですよね(笑)。たまたまいいなと思ったシャツが花柄が多い、タダそれだけです。無地のシャツも結構持っていますよ。形がかっこいいなとか、このボタンの形面白いなとかそいう基準でシャツを選ぶんですが、それにたまたま花柄が多いだけです。結果的には花柄シャツが多いし、好きか嫌いかで言えば花柄シャツが好きですが(笑)。

でも花柄ならなんでもいいわけではないので!

でも花柄がいつの間にかアイデンティティの一つになっているようで、シャツが会話のきっかけになっているのに気付いたんです。「今日も花柄ですね」とか、「今日は花柄じゃないんですね!」とか、シャツの柄の話題だけで日常会話が成り立つくらい(笑)。キャラが立つという意味ではすごくいいです。10着くらいは持っていますし、色違いとかもありますよ(笑)。

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Interview : IEKURA Marie, KISHIDA Takuma

Photo : Zhong Yi

 

== KMD FACTORY 開催! ==
■ 日時:2015年11月27・28日(金・土)10:00〜18:00
■ 場所:五反田 東京デザインセンター

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)が企業や地域社会と連携のもとで進めている
「リアルプロジェクト」を学内外の方々にご覧いただくためのオープンハウスイベントです!
http://kmd-media.com/forum/

■ KMD FACTORYへ工場見学に来ませんか? 招待状発行はこちらから→ http://kmd-media.com/forum#invitation–anchr

【鉄道ミクロアドベンチャー】KATOホビーセンターに潜入!《前編》

こんにちは、M1の島田です。
いよいよKMD Forum”FACTORY”も今月末となりましたね。
今回はそんなForumのスペシャルパートナーである、
鉄道模型会社のKATOの東京の拠点である「ホビーセンターカトー東京」に潜入してきました。
今回は画像多めの記事にしました。ぜひ、ネットワーク環境が良い場所でミニチュアの世界をお楽しみください!

 

 

 

最寄駅は都営大江戸線・落合南長崎駅。
場所はココ↓

スクリーンショット 2015-11-11 19.36.07

 

 

 

駅からてくてく歩いて行くと…おや、昭和の色が残る街に、突如として赤い電車が現れます。

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ややや…!
どなたかお出迎えしてくれてます…!

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あれに見ゆるは京急線に乗ったKATOの加藤社長とホビーセンターの富澤さん(左)と製造部設計課の米谷さん(右)!

 

 

 

っせ〜の…(みんなで)
\こんにちは〜!/

 

 

 

今回は特別に、富澤さんと米谷さんに、ホビーセンターを案内していただきました!

建物に入ってすぐに目につくのは、スイスの山岳地帯を走る鉄道ジオラマ。

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埼玉県鶴ヶ島市のふるさと納税記念品みたいです。鉄道模型の操作が可能で、
コントローラーがついていますね。

 

 

 

すてきですね。クリスマスの街と山岳鉄道…。なんだか旅行きぶん!

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1Fにはおおきな鉄道模型のジオラマと販売スペースがあります。

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圧巻!そして…なんでしょう…?この懐かしさと安心感。
走り続ける電車と、家路につく人々、住宅街の明かりが灯る家々…
街灯もひとつひとつ手作りで、光ファイバーをつかってこのサイズで再現しています。
まるで、街の喧騒や、子供たちが遊ぶ声、くるまの通る音が聞こえてきそうです。

 

 

 

KATOすごすぎィ!!!!!!

 

 

 

みたこともないような大きな大きなジオラマの横には、
SLを自在にコントローラーで走らせることのできる大きな台があります。
ぽっぽ〜〜〜♪
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走っているのはC21という蒸気機関車!
しかも、それだけではありません…

じゃじゃ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!
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サ〜ウ〜ン〜ド〜ボック〜ス〜〜〜〜〜!!!(Sound Box)

 

 

ドラ○もん風に紹介したこの商品…実は…その名の通り、
電車や機関車の音をそのまま再現してくれるおもちゃなのです…!
鉄オタ、音鉄、垂涎!!!!!!!
ぽっぽ〜〜〜〜♪って、ほんとに鳴ります。

 

 

リアリティー!
リアリティーありすぎィーーーーー!!!!

 

 

高ぶる心を抑えきれず、叫んでしまいました。
みなさんはホビーセンター内では叫ばないようにネ⭐︎

 

 

 

P1170147木造の日本家屋も本当にリアル。ここを鉄道模型が走るなんて、胸熱すぎィ!!!

 

 

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本当に何時間でも見ていられます。

ちなみに、電車が通るとそれに合わせて信号機の点滅も変わります。
芸が細かすぎィ!!!!!!

 

 

 

ジオラマばかり見ていないで、売り場にも目をやると…

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き、きれい…!!!!
全ての電車がひとつひとつ、本当に丁寧に作りこまれているんです。

 

 

 

これは、KATOのNゲージ50周年記念鉄道模型!
表の赤い電車ではあーりませんか!!!!

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紙のレイアウトだと、おしゃれでかわいい感じ!!
お部屋に飾るだけでも、なんだか夢のある空間になりそう♡

 

 

 

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圧巻のディスプレイを前に米谷さんに推し鉄を尋ねると、北陸新幹線とのこと。
一番最近設計なさったのが、この作品だそう。
ご自分で設計なさった商品は、子供みたいなものですよね。
米谷さんの優しい微笑みに、商品への愛を感じます。

 

 

 

ちなみに、富澤さんの推し鉄は

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こちら、東海道線・湘南新宿ラインのスターターセット!
実は富澤さんの前職はJR渋谷駅の駅員さん。
やはり、ご自分が関わっていた電車に思い入れがあるようですね。
「ドアに指を挟むと、痛いんですよねぇ…」と、これまた優しい微笑みで電車を見つめます。
愛…溢れすぎィ!!!!!!!

 

 

 

そんなこんなで2Fにあがります。
吹き抜けの階段を上がると…と、前編はここまで!!
次回はホビーセンターの2階をご紹介します。
乞うご期待!!!!!

KATO HP
http://www.katomodels.com

ライター:島田誠奈
写真:高島瑛彦

ネットワーク界の偉人、加藤朗先生 in KMD

KMDにはさまざまな分野のすごい先生がたくさん在籍している。今回注目したいのは、ネットワークメディアの教授・加藤朗先生だ。たくさんの人が先生の偉業を知っているわけではない。けれど、加藤先生はまぎれもなく日本のITネットワーク界の偉人なのである。先生が成し遂げた偉業を紹介し、そんな先生がどんな道を歩まれてきて、いまどんなことを考え、何をし、どのような未来を見据えているかをご紹介したい。

 

 

加藤先生プロフィール

国立東京工業高等専門学校電子工学科を卒業後、東京工業大学工学部電気電子工学科に編入学、同学科卒業後、理工学研究科情報工学専攻修士課程修了、後期博士課程満期退学。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスのキャンパスネットワーク構築準備に携わり、同キャンパスにて環境情報学部助手。その後、東京大学大型計算機センター(現情報基盤センター)助手(約半年間の USC/ISI での訪問研究員を含む)、同助教授(現准教授)を経て現職。博士(政策・メディア)
JUNET 時代から電子メールネットワークの構築運用や日本語サポートを行い、WIDE Project 創設時から同プロジェクトでインターネットに関する研究開発に従事。その間、インターネット相互接続点である NSPIXP の設計や運用、移行を行い、また M-Root DNS サーバの構築・運用にも従事している。また、東京大学大学院情報理工学系研究科平木教授と共同で Internet2 の LandSpeed Record を樹立に参画し、2008 年に科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞。

 

 

今日はよろしくおねがいします!

ーよろしくね。

 

 

先生は高専を卒業され、東工大に編入なさったそうですが、そこでどんなことをされていたんですか?

ー学部時代は、電子回路と情報がバラバラな時代だったんだよ。そこで、回路と情報の間の中間をうまくやりたいと思っていたんだよね。高専の時は情報系だったから、学部の卒業研究の配属は回路系に行きたかった。でも研究室配属のクジで外れて情報系に行くことになった。そのクジ一つでその後の人生が大きく変わっちゃうんだけど。

 

 

クジで外れて、どんなことをするようになったんですか?

ーコンピューター同士の通信に関して研究してたんだよね。当時はアメリカにはインターネットはあったけど、日本はネットワークの黎明期だったわけだ。一年先輩に篠田さん(現北陸先端科学技術大学院大学教授)と一緒に、大学当局には無断で同軸ケーブルを配線し、ワークステーションをつなげて遊んでた。構内で誰がワークステーション使ってるかをビジュアライズするインターフェースとか作って、ネットワーク監視してみたりね。修士の時にハードウエアの研究室に移って、村井純(「日本のインターネットの父」と呼ばれる日本の計算機科学者。慶應義塾大学環境情報学部長兼慶應義塾大学環境情報学部教授。)さんが東工大の総合情報処理センターにやってきた。当時、「すごいハッカーが東工大に来た」と話題になっていて、みんなで訪問して、一緒に遊んでた。そこから村井さんとの関係がはじまったんだよね。

 

 

先生は「遊んでた」といいますが、研究がもはや遊びの域だったんですね。

ーうん。もはや趣味のような…サークルみたいな感じで。それこそ「ネットワークの運用」を実践してたね。「自分たちが使いたいから作る。みんなが使い出すから、運用する。」といった塩梅で、どうしたらうまく仕事ができるか、ということを考えていた。村井さんがオフィスに到着してワークステーションに触れた次の瞬間に、それを探知して電話すると確実に捕まる、みたいな感じで。ただ、そういうことをやっていると論文は書けない(笑)。だから、論文書く時は結構苦労した。

 

 

あの、先ほどから「ワークステーション」とおっしゃっているのですが、パソコンのことですか?

ーうーん。パソコンより、ごつくて高いヤツ…とでも言おうか。6人くらいで「いっせーの」って言って持たなきゃいけないくらい重い。その代わり性能は当時のパソコンよりは高い。ただ、当時のワークステーションには日本語の表示すらできなかったんだよね。パソコンはその当時、MSDOS に一太郎などのワープロソフトを入れて日本語処理ができたけど、ワークステーションはアメリカから持ってきてそのままだったから、当然英語だった。だから、それにどうやって漢字を表示するかというのが問題だった。電子メールも日本語をローマ字で送るか、英語で送るかなかったわけです。しかも、送信してから届くまでに半日ぐらい掛かる時代だったし。

 

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ワークステーションにおける漢字の表記は東大の和田先生から様々な提案を頂き、電子メールに関する様々な決まり(エスケープシーケンス等)を作ったそうです。コンピューターネットワークは、開発している大学同士の取り決めで規格が決まりました。当時日本のネットワークにおける様々な取り決めは、ユーザ数はすくなくとも、ともかく決めないと始まらないので、とりあえず決め、いろいろなプログラムを日本語対応ができるように修正していたとのことです。現在のドメイン名の「ac.jp」なども、加藤先生がそれまでの「.junet」からの移行の容易さを考えて決定、移行がなされました。政府が色々絡まずに、自由に決めることができた点が、今日のボーダレスなネットワーク環境をつくったのです。

 

 

 

おぉ…本当に今じゃ考えられないですが、先生の学生時代はまさにネットワーク「黎明期」だったんですね。

ー当時は、学術的な情報は雑誌とか学会誌のような紙の文献だしか無かったわけです。インターネットが動き出した直後だったし、勿論、google も worldwide web も無かったわけで、図書館の海外の雑誌コーナーに籠もって読んでたんだよ。

 

 

 

その後、SFCの助手になってネットワークを構築されたそうですが、どうしてSFCを選ばれたんですか?

ー東工大の博士課程の三年目のとき、たまたま慶應の矢上キャンパスに遊びに行ったんだよね。数理工学科の斎藤研究室、ここは村井さんの出身の研究室だったんだけど、そのときに砂原秀樹(電気工学科)にも出会った。当時はすなさん、ガリガリだったんだけどね…(笑)、声やテンションは今と何も変わらないけど。よく遊びに行くようになったら、斎藤先生に「今度藤沢に新しいキャンパスを作るから、こんなとこで遊んでないで、手伝え!」と言われて、手伝うことになった次第です。

 

 

 

そうだったんですか!SFCができたのは1990年ですが、その当時パソコンやワークステーションを持ってる学生はごく一部だっただろうし、大学にきて初めてワークステーションにさわるという人も少なくなかったんじゃないですか?

ーそうなんだよね。「電子メールってなんですか?」みたいな人がたくさんいたし、そもそもSFCの嘱託職員に正式に採用されたのは、入学式の10ヶ月前。800人の電子メールアカウントを管理するシステムや、パスワードを登録するシステムや、電子メールの使い方を教えるととこから始まった。すごく大変だったよ。しかも、建物への機材の搬入ができるようになったのが3月26日で、2週間もしないうちに新学期の授業が始まるというスケジュールで…。だから、記念すべき第一回目の入学式の職員紹介には出れなかった(笑)。

 

 

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えぇぇ…!それは大変でしたね!思わぬSFC創業秘話がきけました。

ーそもそも、携帯電話も殆ど誰も持っていない時代だし、ワークステーションで動くエディター(WordやPagesのような文書処理ソフト)もなくて、何も知らない人にEmacsを教えて、LaTeX(文章処理ソフト)も教えてって、ほんとに根気がいるし、大変だったね。

 

 

 

構築して、運用して、人に浸透させるということが、どれだけ大変か…想像もつかないです。その実績があるから、いま現在、SFC以上にいろんなバックグラウンドを持った人種がいるKMDで、ネットワーク関連のことを一から根気よく教えてくださるわけですね。

ーそうだね。

 

 

 

そのあと、東京大学に移られて、大型計算機センターの助手から助教授をされていたんですね。

ーそう、東大のネットワークの最初のバージョンはもう出来てたけど、その後のキャンパスネットワークの運用や改良などをしていたね。トラブル続出でまた大変な時代だった。1995年に補正予算でキャンパスネットワークの予算がついたときには、構内光ファイバー網を張り巡らしました。当時購入したネットワーク機器は全部新しいものに置き換えられているけど、光ファイバーは、その後に追加したものも多いけど、当時のものがまだ使われています。

 

 

 

先生の長距離伝送記録に話が飛ぶのですが、東京大学大学院情報理工学系研究科平木教授と共同で Internet2 の Land SpeedRecord を樹立に参画し、2008年に科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞されたと聞きました。それは一体どんな記録なんですか?

ー僕は WIDE Project の一員として参画したのだけれど、東京→シカゴ→アムステルダム→ニューヨーク→シカゴ→シアトル→東京という経路で、東京大学の2台のPC間でデータ転送をするもので、最終的なデータ転送速度は1秒間に9.08ギガビット(約90億ビット毎秒)。これは、DVD1枚のデータを約5秒で地球の半周以上の距離を送ることができるということなんだよね。日本の研究チームがインターネット速度記録に認定されたことは初めてなんだよ。

 

 

 

すごい…!日本ではじめてインターネット速度の世界記録を樹立した人が、KMDで私みたいなネットワークについて何も知らない人にも一から教えてくださるんですね…ありがたいことです…!最後に、先生の今後のやりたいこと、どんな学生を求めているかを教えてください。

ーインターネットのいいところは、取り決めに国とか政府があまり関わってないところなんだけど、それ故にセキュリティが大変な問題になっているということもあります。ただ、セキュリティを強化したのはいいけど、そのために不便になっては元も子もない。セキュリティの人はセキュリティだけじゃなくてネットワークがどういう風に動いているのか、計算機がどうなっているのかも知っていないといけない。そのため、技術をしっかりできる人を育てたいと思っています。

ただ、それだけでは不十分で、 KMDには、多様なバックグラウンドを持つ人に来てほしいと思っています。例えば、「法律やってました!」とか、「社会学やってました!」って人が、セキュリティやネットワーク関連のことを勉強すると、ほんとにその人の可能性が広がると思うし、その人の視点でネットワークを良くするための提案もできる。そういう人が活躍すると、世の中のためにもなるよね。苦手意識をもたないで、知らないことは一から学べばいいから、「通信×政治」みたいな学問のコラボレーションができる元気な人に来て欲しいと思っています。

 

 

 

 

加藤先生、お忙しい中丁寧に質問に答えていただき、ありがとうございました!先生は本当にお優しくて誠実で、チャーミング♡愛ある厳しさで私たちにネットワークのことを教えてくださいます。

こんな先生の元で学ぶことができるのは、KMDだけ!加藤先生の次回作(?)にご期待ください!

 

プリント

M-root serverと加藤先生。このサーバーはこの後、有名Webメディアのライターであり、KMDのOGである太田智美さんに進呈されたようです。※撮影場所の都合上、サイバー感溢れるお写真になってしまいました。

 

 

ライター:島田誠奈

写真:高島瑛彦